Codex CLIを使い始めて最初に戸惑うのが、「どこに何を書けばいいのか分からない」という問題です。
AGENTS.mdというファイルの存在は知っていても、実際にどう書くか迷っている方は多いのではないでしょうか。特にブログ運営のような反復作業が多い用途では、AGENTS.mdを整えると、毎回の説明を減らせます。
私はブログの運営でCodexとClaude Codeの両方を使っています。
実際にAGENTS.mdを書いて運用してきた経験から、ブログ運営に特化した書き方とテンプレートをお伝えします。
まだCodex CLIの基本操作に慣れていない方は、先にCodex CLIの使い方入門を読んでおくと、AGENTS.mdの役割が理解しやすくなります。
- AGENTS.mdが何をするファイルなのか、短時間で理解できる
- CLAUDE.mdとの具体的な違いと使い分け方
- ブログ運営でAGENTS.mdに書くべきルールの実例4パターン
- そのままコピーして使えるテンプレート付き
AGENTS.mdとは何か
AGENTS.mdは、Codexにプロジェクトごとの作業ルールや前提を伝えるためのMarkdownファイルです。

Codexは起動時に、グローバル設定やプロジェクト内のAGENTS.mdを組み合わせて読み込みます。
そこに書かれたルールを参考に、コードの編集・ファイル操作・コマンド実行などを進めます。
一度書いておけば、毎回同じ指示をプロンプトに書かなくて済むのが最大の利点です。
「記事ファイルは必ずUTF-8で保存する」「投稿スクリプトはblog/scripts/から実行する」といったルールを事前に設定しておくことで、Codexに毎回同じ前提を伝えやすくなります。
AGENTS.mdは、プロジェクトのルートディレクトリに置くのが基本です。
your-project/
├── AGENTS.md ← ここ
├── blog/
│ ├── scripts/
│ └── outputs/
└── README.mdサブディレクトリにも置けます。Codexはプロジェクトルートから現在の作業ディレクトリまでの指示を順に読み込み、より近い場所の指示ほど優先されやすくなります。
なお、Codexには~/.codex/AGENTS.mdで設定できる全プロジェクト共通のグローバルAGENTS.mdもあります。
個人の好みはグローバル、ブログ固有のルールはプロジェクトルート、特定フォルダだけのルールはサブディレクトリに分けると整理しやすいです。

AGENTS.mdを設定するメリット
AGENTS.mdを設定するメリットは、Codexに毎回同じ前提を説明しなくてよくなることです。
たとえばブログ運営では、記事の保存場所、文体ルール、ファクトチェックの方法、WordPress投稿時の注意点など、毎回守ってほしいルールがあります。
これらをAGENTS.mdにまとめておけば、作業を依頼するたびに同じ説明を繰り返す必要がありません。
プロジェクトのルールや前提を一度書いておけば、Codexが起動時に自動で読み込むため、毎回同じ指示をプロンプトに書く手間が省けます。
文体・文字数・禁止表現などのルールを事前に設定しておくことで、記事ごとの品質のブレを抑えられます。
投稿スクリプトの実行手順や認証ファイルへの禁止事項を明記しておくことで、Codexが誤った操作をするリスクを下げられます。
特にセキュリティ関連のルールは効果的です。
スクリプトのパスやオプションを書いておくと、「投稿して」と依頼するだけで正しい手順で実行しやすくなります。
反復作業ほど効果が大きいです。
ルートディレクトリだけでなくサブディレクトリにも置けるため、フォルダごとに異なるルールを設定することも可能です。
CLAUDE.mdとの違い
AGENTS.mdとCLAUDE.mdは、似た役割を持ちますが、対象ツールが異なります。
| 項目 | AGENTS.md | CLAUDE.md |
|---|---|---|
| 対象ツール | Codex CLI(OpenAI) | Claude Code(Anthropic) |
| 書き方の自由度 | 高い(Markdown形式) | 高い(Markdown形式) |
| 自動読み込み | あり(セッション開始時) | あり(プロジェクト起動時) |
| ペルソナ定義 | 可能 | 可能 |
| ディレクトリ別設定 | 対応 | 対応 |
書き方の文法に大きな違いはありません。どちらも普通の文章で書いた指示を、それぞれのAIツールが読み取ります。
最も大きな違いは「どのツールから読まれるか」という点です。
CodexにはAGENTS.mdを、Claude CodeにはCLAUDE.mdを用意します。両方を使う場合は、両方のファイルが必要です。
私の運用では、同じプロジェクトにAGENTS.mdとCLAUDE.mdを共存させています。
共通ルールは両方に書き、CodexだけのルールはAGENTS.md、Claude CodeだけのルールはCLAUDE.mdに分けると管理しやすいです。
ただし、読み込み順や細かい優先順位はCodexとClaude Codeで同一ではありません。
この記事では、運用上の使い分けとして「CodexにはAGENTS.md、Claude CodeにはCLAUDE.md」と理解しておけば十分です。

ブログ運営でAGENTS.mdに書くべきこと
私の環境では、本文の自然さや読者心理に合わせた調整はClaude Codeに寄せ、CodexにはSEO補助、品質チェック、データ整理、アイキャッチ画像の指示作成、戦略設計を任せています。
このように役割を分けておくと、同じプロジェクト内でCodexとClaude Codeを併用しても、作業が混ざりにくくなります。
ここでは、ブログ運営でAGENTS.mdに書いておきたい内容を5つに分けて紹介します。
まず書いておきたいのは、Codexに何を任せるかです。
ブログ運営では、記事本文の執筆、SEO調査、ファクトチェック、WordPress投稿、画像作成、データ整理など、作業の種類が多くなります。
すべてをCodexに任せるのではなく、「Codexは何を担当するのか」を明確にしておくと、依頼するときに迷いにくくなります。
たとえば私の環境では、CodexはSEO補助・品質チェック・データ整理・戦略設計を主担当、本文の大幅な文体調整や読者心理に合わせた表現は、Claude Codeに任せる形です。
このように役割を分けておくと、Codexに依頼する作業の範囲がはっきりします。
次に、SEO補助でCodexに任せたい作業を書いておきます。
たとえば、ロングテールキーワードの整理、検索意図ごとの分類、競合記事の見出し調査、内部リンク候補、FAQ案の作成などです。
これらは毎回やることが似ているため、AGENTS.mdに書いておくと依頼が楽になります。
## SEO補助ルール
- ロングテールキーワードを整理する
- 検索意図を Know / Do / Compare / Buy / Trouble に分類する
- 競合記事を見る場合は、タイトル・URL・H2/H3・共通パターンを整理する
- 内部リンク候補を出す
- FAQ案を5問以上作るSEO補助のルールを入れておくと、「このキーワードで構成を考えて」と依頼するだけで、Codexがどの観点で調べればよいか判断しやすくなります。
ブログ運営では、記事が増えるほど管理が大変になります。
どの記事が下書きなのか、どの記事が公開済みなのか、どの記事をリライトすべきなのか。これを毎回手作業で確認していると、かなり時間がかかります。
そこで、AGENTS.mdには記事管理表の列や、整理するときの基準を書いておくと便利です。
## データ整理ルール
- 記事管理表を作る
- 公開済み記事・未公開記事・要更新記事を分ける
- status は draft / review / published / update-needed で管理する
- title、slug、target_kw、category、wp_post_id、local_path、next_action を整理する
- 次にやる作業を一覧化するこのルールがあると、Codexに「記事管理表を作って」と依頼したときに、必要な項目をそろえやすくなります。
アイキャッチ画像も、毎回ゼロから指示を考えると手間がかかります。
ブログのブランドカラー、画像サイズ、避けたい表現、保存場所などをAGENTS.mdに書いておくと、画像プロンプトを作るときのブレを減らせます。
## アイキャッチ画像ルール
- 記事タイトル、メタ情報、本文要点から画像生成プロンプトを作る
- 英語文字、文字化け、実在ロゴの無断使用を避ける
- 推奨比率は16:9
- 保存名は blog/eyecatch/<wp_post_id>_<slug>.webp を基本にする
- 生成後は記事内容と画像モチーフが合っているか確認するアイキャッチ画像のルールを決めておくと、記事ごとに雰囲気がバラバラになりにくくなります。
最後に必ず書いておきたいのが、Codexに触ってほしくないことです。
特に、認証情報やWordPress投稿に関するルールは明確にしておきましょう。曖昧にしておくと、意図しないファイルを読んだり、公開前の記事を投稿したりするリスクがあります。
## 禁止事項
- .env ファイルの読み書き・内容の出力
- *-credentials.json / *-token.json などの認証ファイルの編集
- APIキー・パスワードのプロンプト出力
- WordPressへの即時公開や既存記事の上書きは、ユーザー確認後に行う禁止事項は、やわらかく書くよりもはっきり書いた方が安全です。
「できれば触らない」ではなく、「触らない」「出力しない」「確認後に行う」のように明確に書いておくと、事故を減らしやすくなります。
実際のAGENTS.mdテンプレート
以下は「AI社長の手帳」での運営をベースに作成したテンプレートです。
Claude Codeと分業しているので執筆以外を担当していますが、自分のブログ環境に合わせて修正してください。
# Codex 運用ルール
このリポジトリは、ブログ「AI社長の手帳」の運営ワークスペースです。
Codexは Claude Code の作業環境を壊さず、SEO補助・品質チェック・データ整理・戦略設計を主担当として動きます。
## 基本方針
- `CLAUDE.md` は Claude Code 用の指示書として残す。
- Codexはこの `AGENTS.md` を優先して読み、必要に応じて `CLAUDE.md` も参照する。
- 記事本文の大幅な文体調整や読者心理の壁打ちは Claude Code 向きとし、Codexは構造化・検証・整理・自動化を担当する。
- 認証情報を含む `blog/scripts/.env`、`ga4-token.json`、`ga4-credentials.json` は、必要がない限り表示しない。
- WordPress投稿は原則 `draft` 扱いにする。即時公開や既存記事の上書きは、ユーザー確認後に行う。
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## Codexの担当範囲
### SEO作業の補助
Codexは以下を担当する。
- ロングテールキーワードの整理
- 検索意図ごとの記事分類
- 競合記事を見たうえで構成案を作る
- 内部リンク候補を出す
- FAQ案を作る
### データ整理ルール
- 記事管理表を作る
- 公開済み記事・未公開記事・要更新記事を分ける
- status は draft / review / published / update-needed で管理する
- title、slug、target_kw、category、wp_post_id、local_path、next_action を整理する
- 次にやる作業を一覧化する
### アイキャッチ画像作成補助
Codexは以下を担当する。
- 記事タイトル、メタ情報、本文要点から画像生成プロンプトを作る
- 英語文字、文字化け、実在ロゴの無断使用を避ける
- 推奨比率は16:9
- 保存名は blog/eyecatch/<wp_post_id>_<slug>.webp を基本にする
- 生成後は記事内容と画像モチーフが合っているか確認する
## 禁止事項
- .env ファイルの読み書き・内容の出力
- *-credentials.json / *-token.json などの認証ファイルの編集
- APIキー・パスワードのプロンプト出力
- git commit に認証ファイルを含めることCodexに任せると便利な作業
AGENTS.mdを設定したあとで、実際にCodexが役立つ作業をまとめます。
- SEO補助:キーワードや検索意図を整理し、記事構成や内部リンク候補を提案してくれる
- データ整理:記事管理表や公開状況を整理し、次にやる作業を見える化してくれる
- 画像プロンプト作成:記事タイトルや内容に合わせて、アイキャッチ画像の指示文を作成してくれる
- 戦略設計:公開済み記事や検索データをもとに、次に書く記事やリライト優先度を提案してくれる
- 分析レポートの解釈:GA4レポートの数値を渡すと改善提案を出してくれる
特に投稿スクリプトの実行は、AGENTS.mdにコマンドを書いておくと効果が大きいです。
環境と権限が整っていれば、「投稿して」と依頼するだけで正しいディレクトリから正しいオプションで実行しやすくなります。
Codexは、毎回同じ流れで行う作業ほど力を発揮しやすいです。
「毎回やること」をすべてAGENTS.mdに書き出す習慣をつけると、使いこなしが格段に上がります。
注意点
AGENTS.mdを使う上で、あらかじめ把握しておきたい注意点が3つあります。
AGENTS.mdはMarkdownとして自由に書けますが、Codexが読み込む指示には標準では合計32KiBのサイズ上限があります。
設定で変更できますが、初心者は短く保つ方が扱いやすいです。また、ルールが多すぎると逆効果です。
ルールが増えるほどCodexの解釈にブレが生じやすくなります。
私の経験では、10〜15項目程度に絞ると動作が安定しやすいです。「あれもこれも」と詰め込みたくなりますが、本当に毎回必要なルールだけを残すのがコツ。3ヶ月運用してみて「使われていない」と気づいたルールは削除してください。
最初はシンプルにしておく方が扱いやすいです。
AGENTS.mdは公開リポジトリに置けますが、書く内容には注意が必要です。
ワークフローの詳細や公開したくない内部情報を書きすぎると、意図せず外部に見られることになります。
認証情報は絶対に書かないのはもちろん、公開してよい内容に絞って記述しましょう。
AGENTS.mdは一度書いたら終わりではありません。ブログの運営体制が変わるたびに更新が必要です。
投稿スクリプトのパスが変わったり、新しいルールが必要になったりすることがあります。
3ヶ月に1度程度、内容を見直す習慣をつけておくと、Codexの意図に近い動きを保ちやすくなります。
更新を怠ると「古いルールで動いてしまう」という事態が起きます。
よくある質問
- AGENTS.mdはどこに置けばいいですか?
- まずはプロジェクトのルートディレクトリに置くのが分かりやすいです。全プロジェクト共通の好みは~/.codex/AGENTS.mdに分けられます。慣れてきたらサブディレクトリにも置いて細かく設定できます。
- AGENTS.mdとCLAUDE.mdは同時に使えますか?
- 使えます。それぞれ別のツール(CodexとClaude Code)が読み込むファイルなので、同じプロジェクトに両方置いても干渉しません。共通するルールは両方に書くのがおすすめです。
- AGENTS.mdに書いたルールはどのくらい守られますか?
- 明確に書かれたルールほど守られやすくなります。ただし、ユーザーの最新指示や安全上の制約、実行環境の制限が優先されることがあります。「〜してください」より「〜は禁止」のように否定形で書くと徹底されやすいです。
- AGENTS.mdに認証情報(APIキーなど)を書いても大丈夫ですか?
- 絶対に書かないでください。公開リポジトリに含めた場合や、ファイルを共有した場合に漏洩するリスクがあります。認証情報は.envファイルで管理し、AGENTS.mdには「.envを触らない」というルールを書くのが正しい使い方です。
- ディレクトリごとにAGENTS.mdを分けることはできますか?
- できます。Codexをそのディレクトリで起動する、またはそのディレクトリを作業対象にする場合、近い階層のAGENTS.mdがより具体的な指示として優先されやすくなります。ルートのAGENTS.mdと組み合わせて使うのが基本です。
まとめ
AGENTS.mdは「Codexに毎回教えなくて済む状態を作る」ためのファイルです。
一度しっかり書いておけば、Codexへの指示が大幅に省略できます。
本記事のテンプレートをコピーして、自分のブログ環境に合わせて書き直してみてください。
完璧を目指さなくて構いません。使いながら少しずつ育てていくのが、AGENTS.mdの実用的な使い方です。
まずは1ファイルだけ作れば十分です。
CodexとClaude Codeをどう使い分けるか迷っている方は、比較記事も参考にしてください。

